経営コラム第128回「賢い社長の経理財務の見どころ・勘どころ・ツッコミどころ」配信!

第128回 AI時代に経理社員が磨くべきビジネススキル

経理も会計スキルだけでは生き残れない
これまでの経理社員の主な仕事は、取引結果を正確に記録して集計し、決算書にまとめることでした。
そこで必要となる専門能力が、会計スキルでした。
AIが定型的な経理業務を正確かつ高速に処理できるようになった今、経理社員には新しいスキルが必要となります。
すなわち、経理という専門領域にとどまらず、企業経営に貢献するための新たなビジネススキルが求められています。
会計スキルを決算書作成だけに使うのではなく、会計スキルをベースに他のビジネススキルと組み合わせて業務範囲を拡張していくことが期待されています。
そこで今回は、AI時代に経理社員が磨くべきビジネススキルについて、解説します。

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■AI活用とDX(デジタルトランスフォーメーション)推進

経理において、事務作業をAIに移行する過程で要求されるビジネススキルがAI活用とDX推進のためのスキル
AI関連のツールを使いこなすテクニックと、AIを自社の経理業務に導入し運用設計するスキル
DX推進スキルは、業務の課題を見つけ、デジタル化を企画して推進する能力

■コミュニケーションとプレゼンテーション

コミュニケーション力は、他部門と協働し、会社全体を調整する対話力
プレゼンテーション力は、財務情報をわかりやすく伝え、意思決定と行動を促す力
AI導入後は会計スキルを使った課題分析や原因調査、財務提案が仕事の中心となる

■コンプライアンスとガバナンス意識

内部統制や法令遵守、財務情報の保護など、企業の信頼を守るための経理の基本姿勢は変わらない
AIによる効率化が進むほど、倫理的な問題や情報セキュリティリスクも高まる
AI処理の結果や決算数字などが適法で問題ないかを判断する能力も求められる

AI時代において、会計スキルの使い方が記録や計算から、分析判断、対話報告、内部統制に変わる

経理社員の会計スキルの再構築ができた会社から、経理がAIを使いこなして経営を支える職種に変わる