経営コラム第129回「賢い社長の経理財務の見どころ・勘どころ・ツッコミどころ」配信!
第129回 経理社員が管理職を敬遠する理由とは
中小企業が直面する管理職育成の壁
「経理課長にはなりたくないです」
中小企業の社長や経理部長が、経理社員との面談でこんな言葉を耳にすることが増えています。
かつては昇進して部下を持つことが成長の証と考えられていましたが、いまでは管理職になることを尻込みする社員が経理部門でも少なくありません。
会社にとっては後継の管理職が育たない深刻な問題です。
なぜ、多くの経理社員が管理職になることを望まないのでしょうか。
その背景には、若手社員の価値観の変化や、経理管理職が担う責任の重さが影響しているようです。
そこで今回は、経理社員が管理職を望まない理由とその対策について、解説します。
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■若手経理社員はヒト・モノ・カネの管理に苦手意識
管理職は部下の育成評価、資産や負債の管理、日々の資金繰りまで、幅広いマネジメントを求められる
若手社員は自分のペースで専門業務を好む人が多く、人間関係や社内調整、対外折衝などに苦手意識
管理業務を明確にし、可能な限りシステム化、マニュアル化して、役割分担し負担軽減を図ることが重要
■会計情報の責任の重さが心理的負担に
数字のミスが経営判断を誤らせたり、銀行の信用を失墜させたりするリスクもあり、緊張感が常に高い
中小企業ではチェック体制やサポート要員が十分でないことが多いため、責任と負担が一人に集中しやすい
チェックリストや承認フローを整備し、個人の責任が過重にならない仕組みをつくることが大切
■経理管理職を育成するための方策
管理職になれば昇給しやりがいが増えるが、業務範囲の拡大や責任の増加に対する不安も大きくなる
チームリーダーなどの中間ステップを設けて段階的に管理経験を積ませることで心理的ハードルを下げる
先輩管理職が相談役となり、不安や悩みを共有できる環境を整え、管理職への抵抗感を和らげる
管理職に対する不安の声の裏側には、単なるわがままではなく、会社組織の構造的な課題が潜んでいる
若手経理社員の育成と支援の仕組みを見直すことが、持続的に成長する組織づくりには欠かせない
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