経営コラム第82回「賢い社長の経理財務の見どころ・勘どころ・ツッコミどころ」配信!

第82回 2023年末までに準備必須!電子帳簿保存法改正対応

電子取引の原本データの保存が、すべての会社に義務付けられる!
「ペーパーレス化はまだ先の話だから電子帳簿保存法は関係ない」と考えている中小企業経営者は少なくありません。確かに、電子帳簿保存法(電帳法)の中でも会計帳簿の電子化や、書類のスキャナ保存はペーパーレス化を進めている企業だけが対応すればいい話です。
しかし、電帳法で新たに取り扱われるようになった電子取引については、中小企業を含むすべての企業が対応しなければなりません。いよいよ2024年1月から、電子取引の原本データの保存が、すべての会社に義務付けられるからです。
そこで今回は、電子帳簿保存法における電子取引データの保存について、説明します。

電帳法の対応準備は進んでいますか?

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■すべての会社が電子取引を利用

電子機器を使って取引情報の授受を電磁的方式により行う取引を電帳法では「電子取引」として規程
通常の請求書や領収書等に記載される情報を電子的に記録されたすべての取引データが該当する
すべての会社が電子取引を利用しており、電子データを電帳法に基づいて保管しなければならない

■電子取引の利用状況を把握する

社内で発生する受発注書や納品書、請求書、領収書のうち、電子取引でやり取りしている種類を洗い出す
電子取引を受送信する媒体別に電子メール、ネット通販サイト、キャッシュレス決済などに区分しておく
電子取引の種類ごとにデータ形式を把握して、それぞれ月間の発生件数を調査する

■電子取引を紙に印刷して保存できるのは2023年まで
電子取引は原本が電子データであり、印刷した紙は写し(コピー)として取り扱われる
電子取引の電子データは7年間保存し続け、税務調査の時にデータを提示できる状態にしておく
会計処理で使う電子取引に関しては、経理が責任をもって社内で指定された保存方式で管理する

会社の取引規模やシステムの運用状況に合わせて、電子取引のデータ保存のやり方を年内に決めておく

電帳法の細かい取り扱い等については、経理担当者と顧問の会計事務所に相談して対応する