経営コラム第118回「賢い社長の経理財務の見どころ・勘どころ・ツッコミどころ」配信!
第118回 銀行融資につなげる決算報告の仕方
社長の決算説明が銀行との信頼を築く
会社は、資金提供を受ける銀行に対して、財務状態を定期的に報告しなければなりません。
決算が終わったら、銀行に決算書を提出し、社長と財務担当者が決算の内容について説明します。
銀行員は決算書を見れば、業績や財務の概要は把握できますが、具体的な商売の中身やビジネスの実態まではわかりません。
社長が、事業活動の経緯やその成果を説明し、今後の事業への取り組み姿勢を誠実に伝えることで、銀行との良好な取引が継続されていきます。
そこで今回は、銀行に対する決算報告の仕方について、説明します。
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■好調事業の成果をアピール
会社の成長や利益を生み出している事業について重点的に伝えることが大切
戦略的な取り組みと今後の拡大余地を示し、継続性が高い成長であること認識してもらう
具体的な施策が成果に繋がっている点を強調することで、会社の戦略性と実行力を伝える
■不採算事業の原因と改善への道筋を示す
赤字を出してしまった理由と、その反省を踏まえた具体的な対策(数値目標を含めて)を伝える
インフレによる原価率への影響を説明したうえで、コスト構造を見直して努力している姿勢を示す
不採算事業の現状を率直に認め、その原因を分析し、具体的な改善策を実行している事実を説明する
■財務課題をオープンにして改善姿勢を見せる
財務体質に課題がある場合は、銀行から指摘される前に、自らオープンにすることで逆に信用を得る
借入金が多い場合、金融機関ごとの借入状況を正直に伝え、具体的な返済計画を提示して安心感を与える
自己資本比率を経営管理指標に設定し、財務体質の改善に真摯に取り組んでいる姿勢を示す
数字の説明だけでなく、成長ストーリーや財務課題への向き合い方を具体的な数字と経緯を交えながら語る
借入金の相談をする際は、現在の財務状況と今後の見込み(事業計画書)を示して会社の将来像をイメージしてもらう