経営コラム第77回「賢い社長の経理財務の見どころ・勘どころ・ツッコミどころ」配信!
第77回 インボイス制度点検その8 10月1日をまたぐ取引のインボイス処理
インボイス制度の導入まで残り1ヵ月を切りました。
企業の経理担当者から会計事務所宛に届く税務会計の質問も、インボイス制度に関するものが圧倒的に増えています。
経理担当者も新しいインボイス形式の請求書や領収書を発行したり、受領したりするにあたり、実務上具体的にどうすればよいのか不安に感じているようです。
特に直前になって問い合わせが増えているのが、10月1日をまたぐ取引のインボイス対応の取り扱いについてです。
インボイス前から継続している取引や、9月までに前払いした経費など、インボイスが必要なのかどうか迷うところです。
そこで今回は、10月1日をまたぐ取引のインボイスの取り扱いについて、説明します。
御社がインボイスを最初に発行するのはいつですか?
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■20日締め請求書は9月と10月を分けて発行すべきか?
10月1日以降の取引はインボイス(適格請求書)が必要、9月30日までの取引はインボイス不要
インボイス制度導入日(10月1日)前の取引分から請求書をインボイス形式で発行することができる
20日締めなどの請求書も現状どおり9月から10月にかけての請求書を1枚のインボイスで発行しても問題ない
■9月までに支払った年払い経費はインボイスが必要か?
年払いした経費を全額「短期前払費用」として、支出事業年度の経費として処理することが認められている
短期前払費用については、消費税でも年払いした経費の全額を支出時に課税仕入れとすることができる
年払い経費については、事後でいいので支払先からインボイスの交付を受けて保存しておく
■10月1日前に契約しているリース料のインボイスはどうする?
リース料を支出時に経費処理している場合には、消費税もその時点で課税仕入れとして処理される
インボイス制度導入前からのリース契約については、10月以降もインボイスなしで仕入税額控除の適用が受けられる
10月1日以後に契約するリース契約は、リース契約書にリース会社のインボイス登録番号等が記載される
インボイス制度は新しい制度なので、日常業務で忙しい経理担当者が完璧に対応するのは困難
過剰に心配しすぎることはないが、会社としてはできる範囲でしっかりと準備して対処する