経営コラム第76回「賢い社長の経理財務の見どころ・勘どころ・ツッコミどころ」配信!
第76回 インボイス制度点検その7 立替経費精算時の留意点
「レシートではなく領収書をください」と、飲食店で名刺を差し出して、領収書の宛先欄に社名を書いてもらっている会社員の姿をよく見かけます。
ビジネスにおいて、役員や社員がポケットマネーで業務上の費用を立て替えて、後日その領収書を経理に申請して経費精算する方式はどこの会社でも行われています。
この立替経費の精算の仕方が、2023年10月からスタートするインボイス制度において、少し変更になるので注意が必要です。
そこで今回は、役員や社員の立替経費精算時の留意点について、説明します。
社員一人あたり毎月いくら会社の経費を立て替えていますか?
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■自社名記載の領収書よりも登録番号記載のレシートを受け取る
不特定多数が相手の飲食、小売、タクシー等は宛先を省略した簡易インボイスの交付が認められている
宛先に自社名記載の領収書でもインボイス登録番号等の記載がない場合はインボイスとして認められない
立替経費精算の領収書は宛先よりもインボイス登録番号や適用税率の記載の有無が重要になる
■少額の経費精算もインボイスが必要
インボイス制度においては、原則としてインボイスの保存がなければ仕入税額控除ができない
インボイスが不要なのは3万円未満の公共交通機関の運賃や自動販売機での購入等に限られる
クレジットカードの利用明細や決済アプリの利用履歴はインボイスにならないので注意
■出張旅費,宿泊費,日当,通勤手当はインボイス不要
出張旅費等の場合、インボイスの保存がなくても利用明細による実費相当額の精算が可能
出張日当や宿泊日当の支給も、いままでどおり帳簿に記載するだけで仕入税額控除できる
通勤手当についても、社員の定期代等の領収書を保存しなくても帳簿の記載だけで問題なし
社員の立替経費精算では、出張旅費等以外はすべてインボイスの提出を義務づけるようにする
仕事で経費を立て替えるときには「(領収書ではなく)インボイスをください」と支払相手に伝える