経営コラム第58回「賢い社長の経理財務の見どころ・勘どころ・ツッコミどころ」配信!

第58回 社長がおさえておくべきM&Aの基本

「御社を高く評価している会社があります」
「事業の拡大を検討してみませんか」
ここ数年、社長宛に複数のM&A(合併・買収)仲介会社から、ダイレクトメールが届いていることでしょう。
不審な営業の手紙やメールは開封しないという社長も多いと思いますが、取引のある銀行や証券会社などからM&Aの話を持ちかけられることもあるでしょう。
中小企業にも会社を売る話、買う話の両方が頻繁に来るようになりました。
少子高齢化による企業の後継者難の情勢からも、M&Aの市場は拡大しつつあります。
そこで今回は、社長がおさえておくべきM&Aの基本について、説明します。

最近3ヵ月間で何件M&Aの話がきましたか?

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⚫️事業のライフサイクルでM&Aの目的が変わる

売り手側の目的で最も多いのが、後継者がいない同族会社の事業承継対策
買い手側の目的は、事業のライフサイクルの成長期、成熟期、衰退期によって異なる
売買目的の対象は、人材、技術、製品、ノウハウ、特許、ライセンス、商圏、顧客など様々

⚫️多様なM&Aのやり方を適切に選択する
①合併:吸収合併、新設合併など
②買収:株式取得、増資引受、事業譲渡など
③提携:資本提携、業務提携など

⚫️企業価値の評価方法を理解する
①将来のキャッシュフローで評価する方法:DCF法など
②会社の純資産で評価する方法:時価純資産法など
③市場での取引価格を基準とする方法:市場価格法、類似業種比準法など

経済環境が変化する中、あらゆる業界で生き残りをかけて今後もM&Aが増えていく

社長としては、売る話や買う話が来たときに、経営判断を誤らないように準備する