経営コラム第57回「賢い社長の経理財務の見どころ・勘どころ・ツッコミどころ」配信!
第57回 インボイス制度導入前後に注意すべき3つのこと
消費税のインボイス制度の導入を前にして、会社が免税事業者と取引交渉をするときに、トラブルとなるケースが想定されています。
例えば、次のようなケースが問題視されています。
・インボイスを発行しない免税事業者との取引を打ち切る
・免税事業者に対して消費税相当額を支払わない
このような下請けの免税事業者が不利益を受ける取引行為について、下請法等の違反に該当することがあります。
これに関して、公正取引委員会などの各省庁からも、次のガイドラインが出されているので、事前に確認しておいてください。
「インボイス制度後の免税事業者との取引等に関するQ&A」
「インボイス制度後の免税事業者との取引に係る下請法等の考え方」
そこで今回は、インボイス制度における免税事業者との取引交渉について、やってはいけない3つのことを説明します。
自社が仕事を発注している免税事業者数を把握していますか?
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⚫️免税事業者に消費税相当額を払わないのは下請法違反
免税事業者を理由に消費税相当額の一部または全部を支払わないのは「下請代金の減額」とみなされて下請法違反
建築業者の場合には、建築業法違反
仕事を依頼する前に下請け業者のインボイスの登録有無を確認
⚫️課税事業者になったのに価格交渉に応じないのはアウト
課税事業者に転換したのに、価格交渉に応じないのは下請法の「買いたたき」に該当
標準的な発注単価を設定しておき、発注前に下請け業者と価格に関して双方合意しておく
⚫️免税事業者とは取引しないことを一方的に通告するのは危険
外注業者に課税事業者になることを要請すること自体は問題なし
文書で一方的に「インボイス発行事業者にならなければ取引を打ち切る」などと記載するのは危険
下請け業者に対して、事前に説明会を実施するか、個別に話し合いの場を設ける
個人事業者との取引交渉を業者担当者に丸投げすると、後で行政指導を受けて後悔する恐れあり
下請法や独占禁止法などの注意点を幹部に伝え、定期的に対応状況についてフォローアップする