経営コラム第59回「賢い社長の経理財務の見どころ・勘どころ・ツッコミどころ」配信!
第59回 手形取引のデジタル化
全国銀行協会は2022年11月に、手形や小切手の交換業務を電子化する電子交換所をスタートしました。
これにより、紙の手形を直接やり取りしていた全国の手形交換所の業務は、明治時代以来続いてきた役割を終えました。
すでに政府は、2026年度末までに紙の手形を廃止することを決定しており、金融経済界も手形や小切手の全面廃止に向けて取り組みが進んでいます。
手形取引は、この約20年間に金額ベースで約9割減少しており、今後約4年間で完全にデジタル化していくことになります。
そこで今回は、手形のデジタル化について、説明します。
御社は、月に何枚ぐらい手形取引をしていますか?
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⚫️2026年までに紙の約束手形廃止へ
紙の約束手形を廃止する目的は大きく2つ
1つ目が、中小企業の資金繰りの改善
2つ目が、デジタル化による事務効率の改善
⚫️手形取引はでんさいネットへ移行
手形の発行や保管、取り立てなどにかかっていた経理部門の事務時間が大幅に短縮
インターネットにアクセスすれば、債権債務の状態がオンライン画面で確認できる
会計システムと連動させれば、会計仕訳を自動的に生成できる
⚫️デジタル化で決算書の表示科目も「電子記録債権/債務」に変更
会計システムの勘定科目の設定が適切に改訂されていることを経理に確認
決算書を銀行に提出する前に表示が「電子記録債権/債務」であることを点検
支払サイトと回収サイトの日数が変わると運転資金が変動し資金繰りに影響
手形決済がデジタル化した後に、業界や自社の資金の流れがどう変わるのかを予測する