経営コラム第149回「賢い社長の経理財務の見どころ・勘どころ・ツッコミどころ」配信!
第149回 業種別に見る在庫・仕掛品・貯蔵品の計上漏れ
決算書に載っていない棚卸資産
棚卸しの対象は、店頭や倉庫の商品だけでなく、委託先の商品や未完成工事の原価にも及ぶ。
経理と現場の認識のズレや確認不足から、意図せず在庫の計上漏れが起きる会社は少なくない。
税務署は業種ごとの死角を把握して調査に臨むため、計上漏れの典型例を知っておきたい。
そこで今回は、税務調査における在庫・仕掛品・貯蔵品の計上漏れについて、解説します。
・・・…続きを読む
■卸売業や小売業では社外にある商品が抜け落ちる
卸売業や小売業では、委託販売先や外部倉庫、輸送中の未着品など社外の商品が漏れやすい。
税務署は入出荷記録や送り状、委託先の販売報告を突き合わせ、委託先等にも照会して調べる。
棚卸表に保管場所別・状態別の欄を設け、外部倉庫の残高明細を添付して整合性を説明したい。
■製造業・建設業・ソフトウェア開発業では未完成原価の集計もれ
工程が期をまたぐ業種では、未完成案件の原価を仕掛品や未成工事支出金に計上する必要がある。
外注先の加工品の反映漏れや、労務費・外注費の未集計、開発人件費の全額費用化が指摘される。
案件別に原価を集計し、工数記録や配賦基準、進捗率の根拠を文書化して毎期継続適用したい。
■全業種共通の貯蔵品という盲点
決算前にまとめて作ったカタログやノベルティは、期末に未使用なら貯蔵品として計上が必要だ。
税務署は印刷会社等への高額な支払いを抜き出し、部数や配布記録、期末の在庫数量を検証する。
毎期一定量を取得し経常的に消費する物品は購入時の費用処理も可能だが、継続適用が前提だ。
■業務の一環として決算日の棚卸資産を測定する
社外の商品の記入、未完成案件の原価計算、未使用の販促品・切手・印紙の棚卸しが要点だ。
棚卸対象や計数方法、実施時期、担当者、確認者を定め、全社共通の手順で実施する必要がある。
社長は棚卸しを現場任せにせず、経理部門や会計事務所と連携して実施体制を整備しておきたい。
(株)経理がよくなるへお気軽にお問い合わせください。

