経営コラム第114回「賢い社長の経理財務の見どころ・勘どころ・ツッコミどころ」配信!
第114回 経理DXの障壁になっているのは何か?
経理DXが進まない実情
先日、税務関係の業界誌の編集長から、経理部門のデジタル化の取り組み状況に関する取材を受けました。
編集長の話では、電子帳簿保存法の改正によって、経理のデジタル化の普及が期待されていたにもかかわらず、予想していたほどの進展が感じられないというのが税務会計業界の認識のようです。
DX(デジタルトランスフォーメーション)で経営改革を掲げる企業が増える一方で、バックオフィスとしての経理業務のデジタル化はなかなか進んでいないのが実情です。
そしてその背景には、経理業務特有のさまざまな障壁が存在しているようです。
そこで今回は、経理DXが進まない原因と対策について、説明します。
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■税務調査におけるデジタル対応への心配
中小企業では、電子帳簿保存法に準拠したデジタル環境の整備が間に合っていない
税務調査において、電子データでは書類の証拠能力が認められないのではないかという不安がある
JIIMA認証のソフトウェアやクラウドサービスを利用すれば安心
■デジタル対応の相談相手の不在
経理のデジタル化に関して、専門家に相談したいが、社内に相談相手がいないケースが多い
システムベンダーに何をどのように相談すべきかもよくわからないため、心理的なハードルが高い
顧問の会計事務所に、自社の経理業務に適したデジタル化の導入や運用等について協力を要請する
■帳簿書類が手元からなくなる心理的不安
紙の書類で業務をしてきた経理担当者にとって、デジタルツールへの切り替えに対する抵抗感は根強い
新しいシステムや作業方式に慣れるまでに時間がかかり、業務内容の変更によるミスやエラーの発生が心配
経理社員向けの研修を充実させ、デジタルツールの利便性を実感してもらうことが重要
電帳法対応ツールの活用や、顧問会計事務所との連携、経理社員の教育などの対策を講じ、デジタル化を実現
経理DXで業務の効率化やコスト削減が期待でき、人手不足対策のためにもデジタル化を取り組むべき