経営コラム第113回「賢い社長の経理財務の見どころ・勘どころ・ツッコミどころ」配信!

第113回 金利上昇に備えて中小企業が準備すべき3つのこと

金利上昇局面における中小企業への影響
日本銀行が政策金利を引き上げる方針を示したことにより、中小企業の経営にもさまざまな影響が予想されます。
中小企業は大企業に比べて、資金調達を金融機関からの借入金に頼っているので、今後、資金調達コストの増加が企業経営を圧迫していくことになるでしょう。
中小企業にとって金利の上昇は、支払利息の増加だけでなく、キャッシュフローの悪化などをもたらし、経営に大きなインパクトを及ぼします。
したがって、中小企業経営者と経理財務担当者は、金利上昇に向けて、早めの準備と対策が求められます。
そこで今回は、金利上昇に備えて中小企業が準備すべき3つのことについて、説明します。

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■支払利息の増加による業績の悪化を予測する

政策金利の引き上げに連動して銀行の貸出金利も上がり、企業の借入金に対する支払利息が増加傾向
特に変動金利で金融機関から融資を受けている場合、すでに借入金利の上昇が生じ始めている
物価高と賃上げでコストが増加して営業利益が逼迫し、金利上昇により支払利息が増えて経常利益が削られる

■変動金利と固定金利の割合を見直す

変動金利は、金利が低い時期には有利だが、市場金利が上昇すると支払利息が増加するリスクあり
固定金利は、借入期間中の金利が一定であるため、将来の金利上昇リスクを抑制できる
借入金の契約を洗い出し、借入金残高と返済期間、金利タイプ、利率を一覧表にして今後の対応を検討

■金融リスクを分散し財務体質を改善する

金融情勢が変化すると、銀行の融資姿勢や取引条件が変わるので、資金繰り対策を準備する
借入先を分散し、複数の金融機関から借入れることで、金利上昇リスクを少しでも抑えておく
運転資金はできるだけ縮減し資金効率を上げて、借入金を増やさなくてすむような財務体質にしておく

金利上昇局面においては、中小企業は金融機関の動向を把握しながら、早めの対策を講じることが大切

今後の金融経済環境の変化を見ながら、リスク管理を徹底し、持続的に成長するための準備をしておく