経営コラム第108回「賢い社長の経理財務の見どころ・勘どころ・ツッコミどころ」配信!
第108回 部門の予算編成に経理を参加させると目標達成度が上がる
会社の予算編成には、経営層が示した目標値を各部門に落とし込むトップダウン型と各部門からの予算を積み上げるボトムアップ型があります。
いずれかのやり方で、経営目標を達成するための売上や経費などの数値を予算にまとめていきます。
このとき、経営トップと各部門間の予算の調整など、予算編成をコーディネートする役割を担うのが、中小企業においては経理部門です。
経理が、各部門の予算編成の段階から関わることにより、全社予算の実現可能性が高まります。
そこで今回は、部門の予算編成に経理を参加させるメリットについて、説明します。
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■経理の視点で部門予算の実現可能性をチェックする
中小企業の予算編成は、詳細に設定している会社もあれば、ザックリとした目安だけの会社もある
経理は勘定科目ごとの変動を点検しているので、数字の推移や傾向を踏まえた検討ができる
経理が部門の予算編成会議に参加することで、計画が現実的か実績値をベースに客観的に評価される
■経理がムダな支出を削減する
忙しいと経費予算の金額は前年踏襲か、前年度の金額に物価上昇分をプラスするだけになりがち
各部門が独自に予算を策定する場合、資金のムダ遣いや不必要な支出が発生していることがある
経理から費用対効果の実績値や経費削減例などを指摘されて、部門管理者がはじめて問題に気づく
■経営方針を各部門と共有し全社予算の整合性を確保する
各部門が個別に予算編成した数字を集計すると、会社全体の事業計画とは一致しないことがある
経理が各部門の予算編成会議に参加することで、会社全体の方針に基づいた一貫性のある予算編成が可能
経理が経営側と各部門との調整役になると、効率的に実現可能性が高い予算を策定することができる
各部門の予算編成に経理担当者が参加すると、予算の実現可能性が向上する
経理は予算の背景や数字の中身を理解しているため、予算執行後の業績管理の数字の検証が深まる