経営コラム第85回「賢い社長の経理財務の見どころ・勘どころ・ツッコミどころ」配信!

第85回 電子取引のデータ保存を定着させる3つの対策

電子帳簿保存法(電帳法)改正により2024年1月以降、大企業から中小企業、個人事業者まですべての事業者が電子取引のデータを保存して管理しなければならなくなりました。
これまで企業の経理部門において、紙の請求書や領収書等の書類を種類ごとにファイルしていたように、電子取引データについても整理保管が必要となります。
電帳法の改正に応じて、ほとんどの会社が電子取引に関するデータ管理の事務処理規程を作成しましたが、実際に規程どおりに運用されていなければ意味がありません。
また、電子取引データの保存ルールを決めていても、部署や社員によって守られていなかったり、処理し忘れてしまったりということがよくあります。
そこで今回は、電子取引のデータ保存を定着させる3つの対策について、説明します。

電子取引データは社内ルールどおりに保存されていますか?

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■対策1 電子取引データの保存について社内説明会を開催

システム担当者や総務経理の担当者が電子取引データの保存について社内説明会を開催する
保存対象となる電子取引の種類やデータ形式などを説明し、データ管理システムの具体的な操作方法を説明
専用システムを利用しない場合は、ファイルサーバ内のフォルダ区分やファイル名の指定の仕方を理解してもらう

■対策2 電子取引データ保存用の動画マニュアルを作成して共有する

プレゼン資料や操作説明書等はペーパーレス化し、プロジェクタやオンライン画面で共有する
説明会をオンラインで共有しながら録画しておけば、欠席した社員が後日いつでも視聴可能
電子取引データの保存をパソコン操作しながら解説しスマートフォンで録画し動画マニュアルを作成

■対策3 データ管理者や総務経理が毎月データ保管状況を点検する
データ管理者が定期的に電子取引データの保存状況をモニタリングして不備がないかを監視
総務は取引書類の申請承認業務における電子取引データを点検する
経理が会計処理や入金・支払のタイミングでデータの中身をチェックする

電子取引データの管理について、管理部門がしっかりとフォローして、社内に定着させていく

情報をデジタル化し社内外とデータを共有して業務効率を向上させるとともに、データ分析などに活用することを目指す