経営コラム第81回「賢い社長の経理財務の見どころ・勘どころ・ツッコミどころ」配信!

第81回 インボイスの記載不備に注意!

「この領収書はインボイスとして認められますか?」
10月からインボイス制度が始まり、多くの企業の経理部門からこのような問い合わせが増えています。
企業の税務監査をしていると、インボイスの記載要件を満たしていない請求書や領収書が散見されます。
400万以上の事業者が、これまでの請求書や領収書に替わって、インボイス(適格請求書)を発行するようになりました。
一方でインボイス制度に合わせてしっかりと準備して対応した会社ばかりではなく、インボイス対応のシステム改修や社内教育が間にあっていない事業者も少なくありません。
そこで今回は、インボイスとして認められない請求書・領収書の注意点について、説明します。

10月分の経費精算で経理から差し戻された領収書はありませんでしたか?

・・・…続きを読む

■消費税率の記載がない領収書

請求書や領収書に消費税額の記載があっても適用税率の記載がない場合はインボイスとして認められない
小規模の小売店や飲食店では金額を手書きした領収書で簡易インボイスを交付する店舗もある
新たなインボイス登録番号の記載だけが注目されているが、適用税率の記載の有無を必ず確認する

■インボイス登録番号の記載不備

手書きの請求書や領収書の他、WordやExcelでのインボイス印刷時に入力ミスによる不備があることも
インボイス登録番号の先頭の「T」の文字や数字の下一桁が抜け落ちているケースも散見される
研修受講料などをコンビニで払う場合、インボイス登録番号記載の申込書等と一緒に領収書を保管する

■取引先がインボイス発行事業者登録を申請中の場合
インボイス制度導入直前や10月以降にインボイス発行事業者登録をした事業者もいる
すでにインボイス発行事業者登録をしているが、インボイス登録番号が取得できてないという事業者もいる
取引先がインボイス発行事業者登録中である場合は、後日インボイスを再発行してもらうか通知してもらう

インボイスの記載不備で損をするのは、仕入税額控除ができない支払った側

請求書や領収書を発行した側は記載ミスに気付いていないので、取引相手が指摘しないと改善されない