経営コラム第70回「賢い社長の経理財務の見どころ・勘どころ・ツッコミどころ」配信!

第70回 インボイス制度点検その1 クレジットカード利用明細はインボイスにならない!

消費税のインボイス制度が2023年10月からスタートします。
経理部門を中心として、どこの企業もインボイス制度対応の準備に追われています。
単純に請求書や領収書の様式が変更になるだけではなく、それにともない経理処理を含めて社内事務全般に影響します。
そこで、インボイス制度導入前に変更点を整理して準備しておくと安心です。
経理実務において、インボイス制度で特に留意すべき点をピックアップして、何回かに分けて説明していきます。
今回は、クレジットカードで支払いをしたときのインボイスの取り扱いについて、説明します。

会社の経費をクレジットカードで支払うことがありますか?

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■クレジットカード利用明細はインボイスではない

カードの利用明細書にはインボイス登録番号、取引内容、消費税率・税額等の記載がない
電子マネーや決済アプリの利用明細も、同様にインボイスには該当しない
カードの利用明細書は支払いの事実を証明する書類にはなるが、消費税のインボイスには該当しない

■3万円未満の支払でもインボイスが必要

インボイス制度導入後は公共交通機関や自動販売機等以外は、原則として領収書/請求書が必要になる
社員がインボイスを受け取るのを忘れると、その分の消費税相当額を会社が負担することになる
今から経理部門では、立替経費精算時に必ず領収書の提出を義務づけるようにしておく

■カード利用明細を見てインボイス発行を確認する
ネット通販での購入や携帯電話代、高速ETC代等はインボイス対応で利用明細の書式が変更になる
インボイスは紙の保存だけではなく、PDF形式などの電子データでの保存も認められる
クレジットカード利用明細を経理に点検させて、各取引のインボイスの取得方法を確認しておく

インボイス制度導入により、個別の請求書/領収書(インボイス)の保存が税務上要求されるようになる

クレジットカード払いのインボイスの取得と保存の仕方について、社内ルールを決めて事前に徹底しておく