経営コラム第49回「賢い社長の経理財務の見どころ・勘どころ・ツッコミどころ」配信!
第49回「値上げ」を検証する3つのポイント
今年に入ってから値上げラッシュが止まりません。
どこの会社の社長と話していても、必ず仕入経費の負担増の話になります。
「同じ業者から今年3回目の値上げの申請があった」
「春先までは値上げの理由の説明があったが、最近では一方的に単価改定の通知を送りつけてくる」
コロナ禍、ウクライナ情勢、円安などの影響で、原材料費や物流費などを中心にさまざまな費用が高騰し続けています。
ここまで値上げが進むと、企業努力でほかの経費を削減して吸収できるレベルではなくなってきています。
会社としては、販売価格の見直しが必要になります。
影響が大きい食品メーカーの値上げ幅は、2022年1~6月の平均で13%アップにも及んでいます(「帝国データバンク」調査結果)。
そこで今回は、「販売価格改定後の結果を数字で検証する3つのポイント」について説明します。
御社は今年、いつ、いくら値上げしましたか?
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①「売上変動」をデータで検証する
値上げ前後の日、週、月の売上データを商品/サービス別に比較
次に、前年同月の売上データと比較し、季節や時期などの値上げ以外の要因も考慮
最後に、コロナ前の売上データと比較し、経済環境の影響も把握
②「販売数量の減少要因」を検証する
「購買客数」「購買数量」「購買回数(頻度)」の3つの数量の変動を計測
販売実績データを場合分けして細かく分析し、次の販売価格の改定時に役立てる
③「値上げ後の粗利益」を試算してから「値上げ手のやり方」を選ぶ
複数の値上げ方式を検討し、値上げ後の粗利益がどう変化するかを試算
値上げ実施後に、想定した見込み値と実績値を比較して、その差異を検証
値上げに失敗し売上が落ちても、景気やインフレのせいにせずに分析して次に活かす
変化の激しい時代には、PDCAサイクルをしっかり回している会社が成長し続ける