経営コラム第47回「賢い社長の経理財務の見どころ・勘どころ・ツッコミどころ」配信!
第47回 コロナ禍で「交際費」の使い方を見直す3つのポイント
令和4年5月、国税庁から「会社標本調査結果(令和2年度分)」が公表されました。
2020(令和2)年度の日本全国の会社について、決算申告の統計資料を取りまとめたものです。
対象となっているのは、2020年4月~2021年3月の間に終了した事業年度の会社の決算申告データです。コロナ禍における会社の決算の状況が示されています。
意外だったのが、法人税を払っていない欠損法人(赤字または繰越欠損金の控除により所得なし)の割合が、全体の62.3%(前年度61.6%)と、それほど増えていないことです。
コロナ対策の「持続化給付金」や「雇用調整助成金」、「家賃支援給付金」などが各社の赤字を補填したと考えられます。
一方で、大きな変化が見られたのが「交際費」です。
前年度と比較した「交際費」の支出額は、1年間合計で約1兆円減少しています。
そこで今回は、コロナ禍での会社の「交際費」の使い方を確認し、今後の「交際費」の配分を見直す‶3つのポイント″をお伝えします。
御社はコロナ禍で、1年間の「交際費」をいくら使いましたか?
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①「交際費」の予算を見直す
会社の交際費の支出額は、コロナ前と比べて金額にして約1兆円、比率では24.9%減少
コロナ禍で交際費の使い方がどのように変わったのかを数字で検証する
②「交際費」のコストパフォーマンスを確認する
日本の会社は10万円の売上を稼ぐために、平均して約200円の交際費を支出
会社の規模が大きくなるほど、売上あたりの「交際費」の額が減少
③「交際費」を同業他社と比較する
業種別で交際費支出が多いのは建設業、サービス業
新規顧客の割合が高く、案件あたりの単価が高額になるほど、交際費が増える
次の3つの観点から自社の「交際費」の使い方を点検する
・直近3期分の「交際費」の支出内訳にどのような変化があったか?
・直近3期分の売上に対する「交際費」の配分割合の傾向はどうか?
・同業他社と比較して「交際費」の支出額は多いか、少ないか?
交際費の支出状況を数字で検証して、販売戦略に合わせて経費の使い方を見直す