経営コラム第126回「賢い社長の経理財務の見どころ・勘どころ・ツッコミどころ」配信!

第126回 人手不足の経理を救うAIエージェント

期待される新しい労働力の選択肢
「経理担当者が退職したが、後任が見つからない」
「経理は書類事務が忙しくて資金繰りまで手が回らない」
そんな声を多くの中小企業経営者から耳にします。
この経理部門の労働力不足の解決に期待されているのが、AIを活用した自律実行型のAIエージェントです。
AIエージェントは、経理社員に替わって業務を処理し、状況に応じて自ら判断し、さらに提案までしてくれるのが特徴です。
これまでの会計ソフトやITツールとは異なり、経理社員がいなくても自動的に実行されるので、経理の新しい労働力の選択肢になることが期待されています。
そこで今回は、経理のAIエージェント導入の可能性について、解説します。

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■AIエージェントを経理業務に活用する

AIエージェントは単なる定型的な反復作業だけでなく、経理社員がしている判断業務まで担当できる
AIは24時間休まず一定の品質で業務を遂行するため、人材不足を補うだけでなく、業務の平準化にもつながる
請求書の内容を判断して勘定科目を選択したり、異常値を発見して訂正したりすることも自動で可能になる

■経理業務におけるAIエージェントの具体的な活用

経費精算ルールや過去のデータを学習して、経費を自動で振り分けて、会計システムへ仕訳データとして連動
得意先ごとの取引条件や実績データを学習させておくと、納品データ等を集計して自動で請求書を作成
売上、仕入、経費の他、銀行明細を自動で取り込み仕訳を自動処理し、月次試算表を作成してくれる

■中小企業の経理におけるAIエージェントの導入の仕方

会計システムや経費精算クラウドサービスに、AIエージェントの機能が組み込まれて提供されるようになる
会計システムやクラウドサービスに自社データや経理規程などを学習させれば、AIエージェントとして使える
AIエージェントが出した結果をそのまま信用するのではなく、経営判断はあくまで社長と財務管理者が検討する

AIエージェントは大企業だけのものではなく、中小企業にとっても現実的な選択肢になりつつある

人手不足を嘆くより、社員とAIエージェントとの協働体制をどう築くかを考える