経営コラム第123回「賢い社長の経理財務の見どころ・勘どころ・ツッコミどころ」配信!

第123回 社長が知っておくべきデジタル経理の不正対処法

経理のデジタル化におけるリスクと対策
現代の企業経営において、デジタル化は避けて通れません。
人手不足の中小企業の経理においても、業務の効率化やミスの軽減、情報共有の迅速化など、デジタル化は多くの利点をもたらします。
しかしその一方で、取引がデジタル処理されることにより、異常や不正を見落としてしまうことも考えられます。
そこで今回は、経理のデジタル化によって発生する会計不正のリスクとその対処法について、解説します。

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■デジタル化で発生する会計不正の実例

営業社員が振込口座を自分の親族の会社に改ざんしたPDF形式の請求書を顧客に送信し、売上代金を着服
社員がネット通販のデジタル領収書を加工して、実際よりも高額な費用を経費申請する
経理担当者がネットバンキングで、複数回に分けて会社口座から自己口座に不正に送金する

■デジタル不正の特徴と傾向

紙の書類とは異なり、デジタル処理は取引やデータ改ざんの痕跡が残りにくい
改ざんされた画像データは、見た目には正常で正規のものと見分けがつきにくいので、不正の発覚が遅れる
システムの脆弱性を突いたり、アクセス権限を悪用したりするなど、高度な手口が用いられる

■デジタル不正を発見する方法と対策

架空の取引先が登録されていないか、既存の取引先情報が不正に書き換えられていないかなどを点検
業務システムへのアクセスログを定期的に確認し、不審な時間帯のアクセスや操作履歴がないかを監視
経費科目の推移変化や、特定の業者への異常な支払いなどの兆候があれば、すぐに社長に報告

経理のデジタル化は、業務効率やコスト削減に貢献する一方で、新たな不正リスクを対策しておく

システム権限を設定し、定期的なチェック体制を整えて、会社の信用と資金を守る