経営コラム第99回「賢い社長の経理財務の見どころ・勘どころ・ツッコミどころ」配信!
第99回 税務調査は電子化によってどう変わるのか?
電子化による税務調査の変化
電子帳簿保存法(電帳法)の改正により、企業の帳簿書類の電子化が進む傾向にあります。
その一方で、税務行政側も、DX(デジタル・トランスフォーメーション)を推進しており、これにより法人税および消費税などの企業に対する税務調査の方法が大きく変わりつつあります。
紙書類中心の経理業務が電子化されて、経理部門の作業効率が向上するのと同様に、税務調査も効率化されていきます。
そこで今回は、電子化による税務調査の変化について、説明します。
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■企業取引データのデジタル収集
電子申告の普及により、国税庁は膨大な量のデータをデジタルで収集できるようになる
金融機関への預貯金照会はオンライン化され、調査に必要な預金データを簡単に入手できる
税務調査で必要な書類は、PDFやCSVなどのデジタル・データで提供するように要求される
■AI(人工知能)や機械学習で企業取引を分析
AIや機械学習の導入により、税務調査の対象となる企業を選別し、効率的に追徴課税していく
リスクが高いと判断された企業や取引に対して重点的に調査が行われ、効果的に調査の精度を高める
企業間取引の大量のデジタル・データを分析することで、異常値を見逃さずに捕捉する能力が向上
■リモートでのオンライン税務調査
コロナ禍の影響もあり、対面での税務調査からリモートでのオンライン税務調査へとシフトする傾向
大企業の税務調査では、オンラインツールを介してリモートでの税務調査が試行され始めている
帳簿書類や必要な資料は、デジタル・データをオンライン・ストレージサービス経由で受け渡しされる
中小企業の経理部門においては、デジタル・データの整備などの電子化に適応する必要に迫られる
税務調査のやり方が変わっても、慌てることがないように、事前に準備と対策をしておくと安心