経営コラム第92回「賢い社長の経理財務の見どころ・勘どころ・ツッコミどころ」配信!
第92回 所得税・住民税の定額減税の給料計算対応
所得税と住民税の定額減税が、2024(令和6)年6月から始まります。
減税は給料の手取り額が増えるので、従業員にとっては喜ばしいことです。
しかし、給料を支払う側の会社にとっては、1年だけの減税事務の対応は作業負担になります。
すべての事業者が、給料計算において全社員の減税額を計算し、毎月天引きされる税額を管理しなければなりません。
そこで今回は、所得税・住民税の定額減税の給料計算対応について、説明します。
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■所得税・住民税の定額減税額の計算
定額減税は扶養家族の人数に応じて、2024年6月以降の給料や賞与にかかる所得税と住民税から減額される
減税しきれない場合は、7月以降に支給する給料や賞与の所得税額から定額減税額に達するまで順次減額する
住民税は2024年6月の特別徴収は行わず、定額減税後の住民税額を11分割して7月〜翌年5月の給与から天引き
■定額減税のための事前準備
今回の減税は低額なので簡単そうに感じられるが、従業員個人ごとの管理が必要で事務手続きは煩雑
定額減税では所得税法上の控除対象扶養親族には該当しない16歳未満の扶養家族も含まれるので注意
給与支払明細書には、「定額減税額(所得税)xx円」または「定額減税xx円」などと表示
■年の途中で扶養家族の人数が増えたらどうする?
結婚や出産で、6月以降に家族構成が変わる社員もいる
扶養家族が多い社員は、定額減税額を6月以降の給料や賞与だけでは控除しきれない場合もあある
6月時点の状況で定額減税の事務を毎月の給料計算で行い、最終的には12月に年末調整で精算する
今回の定額減税措置は急遽決まった政策であるため、不明瞭な点が多く会社の給料計算担当者も戸惑っている
国税庁の定額減税の特設サイトで、説明動画やQ&Aのチャットボット、減税事務用のExcelシートを提供されているので利用する