経営コラム第90回「賢い社長の経理財務の見どころ・勘どころ・ツッコミどころ」配信!
第90回 交際費対象外の飲食費1人10,000円に引き上げ
交際費課税が見直しされます
中小企業経営者にとって、2024(令和6)年度の税制改正における注目ポイントの一つが、交際費課税の見直しです。
中小企業の経済活動の活性化や飲食料費のデフレマインドを払拭する観点から、交際費の対象となる金額基準が改訂されます。
具体的には、税務上の交際費に該当しない飲食費の金額基準が、これまでの1人あたり5,000円以下から10,000円以下に引き上げられます。
そこで今回は、交際費課税の見直しについて、説明します。
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■交際費の金額基準が一人あたり5,000円から10,000円に引き上げ
取引先との打ち合わせ食事代は、法人税法上の交際費に該当するかを形式的に金額基準で判定
2024年4月以降支出する飲食代は、一人あたりの金額が10,000円まで交際費にならない
会社にとっては経費になる交際費の枠が広がったことになり、節税できる範囲が増える
■交際費の経理処理とインボイスの保存に注意
交際費の金額基準は、税込み経理を選択している会社は税込み金額で、税抜き経理を選択している会社は税抜き金額で判定
消費税の処理はインボイス(適格請求書)が必ず必要になるので、経費精算のときにはインボイスを忘れずに保存する
インボイスがない場合、課税仕入れとして控除できない消費税相当額は本体価格に加算され、交際費の金額判定が違ってくるので注意
■会食費の上限額の改訂
法人税の交際費の金額基準の引き上げに合わせて、飲食代に関する経費精算の上限額を改訂する会社もある
飲食代の限度額を引き上げると、営業社員が飲食時に高単価のものを注文するようになる恐れも
交際費に限らずすべての経費について、定期的に費用対効果の検証をすべき
賃上げや交際費だけではなく、出張旅費規程や福利厚生規程などの金額を見直す
新年度にあたり、社内の金額の基準が時代に合っているかを点検する